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 駿河を救うためにはまず容儀を整えねばならない。早雲は過去の仲間に家来(かたちだけの主従)になってくれと頼む。こうして、数人の新造家来とともに駿河へ。早雲45歳。
 早雲が竜王丸と千萱に会うと、6歳の竜王丸は早雲をおじと呼んで頼る。
 堀越公方は関東を怖れて伊豆堀越にとどまり御所をひらいたかぼそい勢力。駿河今川氏がたより。今川の弱体化は困る。
 太田道灌関東管領である扇谷上杉氏の家老の家系。古河公方足利成氏は戦好きであり、南関東を根拠地とする上杉氏を圧迫していた。京の将軍は成氏牽制のため、上杉氏を応援。したがって、道灌は将軍方ということになる。
 公方に兵はない。実権は両上杉(関東管領家)にある。扇谷上杉家の場合、実権は執事の太田道灌にある。扇谷上杉氏は小鹿範満を今川の次期当主として応援していたが、早雲と道灌の交渉により、竜王丸が成人するまでは小鹿範満が後見するということで妥結。早雲と太田道灌の間には信頼関係ができる。
 早雲は、交渉後、興国寺城を与えられる。東の端の辺鄙な城だが、上杉家が駿府平野に入るための入口に位置する。
 早雲領の租税は軽い。そうなると領内の百姓たちも早雲のためなら戦う、という気分になる。
 そんなころ、応仁の乱が終わる。この時代の武士は弱い。太刀は切れなくても美しくあればよいという時代。戦を好むというわけでもなく守護たちも自然現象のように京にのぼってきてひしめきあう。戦はしているが、たがいに群れて肩を押しているようなもの。足軽を雇って戦わせているだけ。
 早雲は城主になってからも妻子をもたない。譜代衆は困る。早雲すでに54歳。早雲の結婚話が持ち上がると、千萱はこの縁組みを氏親(竜王丸)の肝いりということにして、氏親が成人したことを認識させようというしたたかさもある。しかし、早雲のことがずっと好きだった千萱は複雑でもある。
 太田道灌の主君である上杉定正は小鹿範満と通じ合う。しかし、道灌がいるから定正は兵を出せない。道灌の声望をあやうんだ定正は道灌を暗殺。
 道灌には声望があり、その気になれば関八州を併呑してその主になることもできたかもしれない。しかし、道灌は既成の倫理観の上に立っており、主君上杉の安泰のみを願った。道灌が古典文学の愛好家だったことも、古典的権威を尊重した理由。

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文明9年(1477年)には山内家家臣・長尾景春が主君上杉顕定に反乱を起こし山内顕定を上野に追い、文明10年(1478年)には長尾景春に味方した古河公方・成氏と山内顕定の間に和睦が成立する。長尾景春の乱は扇谷家の領国武蔵において展開されているが、扇谷家家宰太田道灌は乱の平定を主導しており、扇谷家でも山内家と同様に当主と家宰との対立関係が発生し、文明18年(1486年)に道灌は主君上杉定正により暗殺されている[4]。

その後は関東の領有をめぐり山内家との対立が顕在化し、堀越公方・政知を擁した山内家に対し扇谷家は古河公方・成氏に接近して、両家は対立する(長享の乱)。明応2年(1493年)には扇谷定正の命で伊勢宗瑞(後の北条早雲)が堀越公方・政知を攻撃しているが、伊勢宗瑞(北条早雲)は伊豆において自立し子孫は後北条氏となる。同盟関係にあった古河公方成氏は分裂により衰亡していたほか、山内方の相模の領地は伊勢宗瑞(北条早雲)に次第に切り取られて支配権を失い(大森藤頼の小田原城等。ただし藤頼は、山内上杉に寝返っていたため、扇谷上杉家が宗瑞に派兵を依頼したものを、宗瑞がそのまま領国化したものである)、上杉朝良上杉定正の甥で次の扇谷家当主)は伊勢宗瑞(北条早雲)と宗瑞の甥で主君である駿河守護今川氏親の軍事支援で立河原の戦いは勝利する物の、自らは積極的な対応策を打たず河越城を包囲されて扇谷側の降伏の形で長享の乱は収束する。

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概要
片倉城は東京都八王子市片倉町にあった平山城である。扇谷上杉氏の家臣長井氏が拠ったとされる。現在片倉城跡公園として整備され、公園内にはカタクリの群生地がある。

歴史・沿革
平安時代中期以降、武蔵七党の一つ、横山党の領地となった。
建保元年(1213年)、和田合戦により大江広元の領地となった。
室町時代大江広元を祖先に持つ大江備中守師親あるいは長井時広が在城(築城)したと言われているが、諸説ある。
長井氏以降の片倉城に関しては詳らかでないが、その堅固な構造から、後北条氏の領地になってからも砦として戦国時代後期まで使用されたと考えられる。
1569年三増峠の戦い北条氏照北条氏邦が出陣した城。

昭和46年(1971年)、八王子市により片倉城跡公園として整備される。
平成11年(1999年)、東京都指定史跡となる。

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