アメリ
①「ストレートフォト」系譜(純粋写真・ドキュメンタリー・スナップ・カラー民主化

「対象の本質をありのままに記録する」
項目
内容
起源
1920-30s(西海岸Group f/64、東海岸FSA)
代表写真家
Edward Weston(純粋)、Walker Evans(ドキュメンタリー)、Robert Frank(スナップ)、William Eggleston(カラー民主化
特徴
加工否定・シャープ描写・日常/社会の記録。大判→35mm→カラーへ進化。**「民主的視線」**でアメリカの「真実」を暴く。
vs 他の系譜
**ピクトリアリズム(加工)**に対立。**シュルレアリスム(夢)やコンセプチュアル(アイデア)**とは正反対。

 

②ピクトリアリズム(Pictorialism)「写真=絵画的表現」項目
内容
起源
1880-1910s(イギリス・アメリカ)
代表写真家
Alfred Stieglitz(初期)、Julia Margaret Cameron、F. Holland Day
特徴
ソフトフォーカス・加工・象徴主義。**「芸術性」**を絵画模倣で証明。
vs ストレート
対立の原点。Stieglitzが後期にストレートへ転向し、Group f/64の反ピクトリアリズムに。

 

③ニュー・トポグラフィックス(New Topographics)「人工風景の客観記録」項目
内容
起源
1975年(George Eastman House展)
代表写真家
Robert Adams、Lewis Baltz、Bernd & Hilla Becher(ドイツ影響)
特徴
郊外・工業地帯の無機質な美。「人間不在の風景」。
vs ストレート
アダムスの風景を反ロマン主義に。エッグルストンの日常を都市計画的に拡張。

 

シュルレアリスム写真(Surrealist Photography)「無意識・夢・偶然」項目
内容
起源
1920-30s(パリ)
代表写真家
Man Ray、Lee Miller、Brassaï
特徴
ソラリゼーション・ダブル露光・物体配置。「現実の歪曲」。
vs ストレート
加工肯定。Weegeeの歪曲レンズやEgglestonのシュールさに間接影響。

 

⑤ファッション/グラマー写真(Fashion/Glamour)「商業+美の構築」項目
内容
起源
1910s(Vogue, Harper's)
代表写真家
Edward Steichen(Vogue時代)、Richard Avedon、Helmut Newton
特徴
スタジオ照明・ポージング・「理想化された身体」。
vs ストレート
演出過多。Avedon後期がArbusの心理的深みに接近。

 

⑥コンセプチュアル写真(Conceptual Photography)「アイデア>イメージ」項目
内容
起源
1960s(NY・ロンドン)
代表写真家
Cindy Sherman、Sophie Calle、John Baldessari
特徴
シリーズ・テキスト併用・「写真のメタ性」。
vs ストレート
記録否定。Arbusの「演じられたアイデンティティ」を自己演出に。

 

ミニマリズムランドスケープ(Minimalist Landscape)「極限の簡素化」項目
内容
起源
1960-70s(アメリカ西海岸)
代表写真家
Hiroshi Sugimoto(日本)、Michael Kenna、Richard Misrach
特徴
長時間露光・水平線・「時間と空間の純粋化」。
vs ストレート
アダムスの風景を禅的ミニマリズムに。Shoreの大判カラーの対極。

〇3月に奈良の写真美術館で気になった本

深瀬昌久

桑原甲子雄

奈良の写真美術館で気になった本

 

〇11月に恵比寿の写真美術館で気になった本

宮本隆司

鈴木志郎康『写真有心』

渡辺兼人『既視の街』

土門拳『死ぬことと生きること』

西沢立衛『美術館をめぐる対話』

『インディペンデント・フォトグラファーズ・イン・ジャパン 1976 - 83』

畠山 直哉 (著), 大竹 昭子 (著)『出来事と写真』 単行本 – 2016/2/16

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英国美術史のtre coronatiについて

tre coronati(トレ・コロナーティ。イタリア語で「三人の戴冠者」または「三冠王」)は、14世紀イタリアの三大文学者(ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョ)を指す用語で、彼らを文学の頂点に位置づける比喩です。
 
これを英国美術史の文脈で借用し、20世紀中盤の三人の傑出した美術史家・批評家――ケネス・クラーク(Kenneth Clark)、ニコラウス・ペヴズナー(Nikolaus Pevsner)、エルンスト・H. ゴンブリッチ(Ernst H. Gombrich)――を「英国美術史のtre coronati」と呼ぶ表現が用いられます。
 
この呼称は、James HallのTate Etc.誌の記事(2014年)で最初に登場し、戦後英国の美術史・文化を形作った彼らの影響力を象徴しているようです。
 
ナチスから逃れたドイツ系移民(ペヴズナーとゴンブリッチ)と英国貴族階級のクラークによって、美術の「大衆化」と学術的革新が体現され、英国の美術教育・出版・放送に革命をもたらしました

8/29金から、30土

あなたはアルプスのような山岳地帯を走る鉄道に乗っている。親しい人らと。知らないおじいさんとおばあさんもいて、天気は晴れていた。僕はスマホケースに名刺サイズの絵画を挟んでいた。これは普段からそうである。夢の中では、違う絵に変わっていた。それは這う人を描いたものだった。その絵の作者は若い人である。ガヤガヤした体育館に行く。先生のような、老人のような人と、私がいて、はしのほうで立ち話をしている。額に収められた絵が架かってる。その人の描いた別の絵であり、先生の話すのを聞いている。髪の長い作者も、後から来る。また場面が変わり...。暗い部屋に人が1人立っていてこちらを見ている。ディスプレイ越しに見ているような、実際にはその場にいるはずだが、隔たりが感じられる。