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 月曜日

アガサ・クリスティー、J・D・カー、エラリー・クイーンという本格推理小説の3大巨匠のうち、ほかの2人がその晩年においては、ほとんどめぼしい作品を発表せずに、むしろ大家としての記念碑的な意味合いしかなかったことを考えれば、死の直前までのクリスティーの健筆ぶりは驚くべきことであった。

「叙述の魔術師 ―私的クリスティー論―」(1) - 中西理の下北沢通信

 

 

最後に少し結論めいたことも言うことにする。クイーンはフーダニットの作家、カーがハウダニットの作家であるとすれば、クリスティーはホワットダニットの作家である。

「叙述の魔術師 ―私的クリスティー論―」(6)完結編 - 中西理の下北沢通信