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 これらはある種のエリート主義の唱導です。彼らの潜在的見本は倒幕運動です。義務教育の教科書には「尊王攘夷を掲げた下級武士が倒幕運動を主導した」とあるけど、考えてみると変です。なぜなら倒幕に成功するや否や維新政府は尊王開国に舵切りしたからです。真実は、薩摩藩でいえば、島津斉彬どころか西郷隆盛まで「動員の為の攘夷」を自覚していたのです。

 倒幕と維新政府樹立に成功するや否や士農工商を廃止して武士から力を奪い、一挙に尊王開国に向けてシフトすることが、エリート層の暗黙的合意だったと思います。これはいわば「騙しによる動員」でしたが、「終わり良ければすべて良し」に向けた周到かつ莫大な努力だったという意味で、マックス・ウェーバー的には全面的に肯定できることです。

大塚英志, 宮台真司『 愚民社会』34頁

 

奥仲麻琴が香港に、濱野りれはマカオ

 

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