英国美術史のtre coronatiについて

tre coronati(トレ・コロナーティ。イタリア語で「三人の戴冠者」または「三冠王」)は、14世紀イタリアの三大文学者(ダンテ、ペトラルカ、ボッカッチョ)を指す用語で、彼らを文学の頂点に位置づける比喩です。
 
これを英国美術史の文脈で借用し、20世紀中盤の三人の傑出した美術史家・批評家――ケネス・クラーク(Kenneth Clark)、ニコラウス・ペヴズナー(Nikolaus Pevsner)、エルンスト・H. ゴンブリッチ(Ernst H. Gombrich)――を「英国美術史のtre coronati」と呼ぶ表現が用いられます。
 
この呼称は、James HallのTate Etc.誌の記事(2014年)で最初に登場し、戦後英国の美術史・文化を形作った彼らの影響力を象徴しているようです。
 
ナチスから逃れたドイツ系移民(ペヴズナーとゴンブリッチ)と英国貴族階級のクラークによって、美術の「大衆化」と学術的革新が体現され、英国の美術教育・出版・放送に革命をもたらしました