唐突だがここで問題。ソニー・ロリンズの『サキソフォン・コロッサス』、ケニー・ドーハムの『静かなるケニー』、ジョン・コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』、ブッカー・リトルの『ブッカー・リトル』、ケニー・バレルの『イントロデューシング・ケニー・バレル』の共通項とは何でしょう? 答えは、「トミー・フラナガンがピアノを弾いている」こと。と、これはジャズ・ファンにとってごく基本的なクイズで、モダン・ジャズ黄金期における数々の歴史的名盤でいぶし銀のピアノを弾いたのが彼だ。モダン・ジャズにおけるフラナガンは、ほとんど小津安二郎の映画における笠智衆のような存在であった。

 

自由奔放にスウィングする“歌のファースト・レディ”【ライブ盤で聴くモントルー /Vol.7】 | ARBAN