よわい80にして

 Aubrey Beardsleyの生涯、Austin Osman Spareの生涯。私は今日はロシアの近代史・近代文学の試験を受けた。持ち込み可能の試験ははじめてだった。近くでボーイッシュな女生徒が拗ねていた。夏の、建物がやたら大仰なキャンパスを風が通り抜けた。授業でくばられたプリントを持参してテストに臨む者が大半だったが、そんななかでひときわ目を引いたのは『ロシア文学史』『近代ロシア思想』など重厚な本を机にならべる学生であった。
 短答20、簡単な記述1を終えて私は大教室を出た。地元の町で車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』を買いましたん